
どうして自分だけ、人前でこんなにも緊張して、震えてしまうのか?
他の人と同じように普通にしたいのに、どうして緊張してしまうんだろう・・・。
何度考えても結局は自分の性格のせいとしか思えず、「人よりも弱い自分」のことが大嫌いでした。
そして、こんな悩みは誰にも相談をすることはできませんでした。
「弱い自分」について、相談している自分を想像しただけでも、みじめで、情けなくなってくるのです。
1人で悩みを抱え込み、一時は「人に会いたくない」、「どこかに消えてしまいたい」とさえ、思ったこともあります。


しかし、やはりこの「弱い自分」を何とかしたい、これではいけないと思い、「強い自分」を求めて様々な本を読み漁りました。
そのほとんどは”あがり症克服”とか”性格改善” ”人前での話し方”などの自己啓発の本です。
一冊、一冊をじっくりと読んで「強い自分」を目指しました。
今思えば、「人前で緊張する自分」という現実から目をそらすために、それらの本を読み漁っていたのだと思います。
実際、本を読んでいる時や読み終わって少しの期間は、何だか「強い自分」になった気がしていました。
しかし、多くの本を読んだことによって、頭には「知識」が増えましたが、何よりも大事な「行動」を起こしてなかった事に気づいたのは、ずっと後になってからでした。
又、それらの本の大半には”あがり症は病気ではない”という前提で書かれており、緊張するのは「人前での経験不足」が主な原因とする本ばかりでした。
ですから、それらの本の中には、社会不安障害(SAD)という言葉は一度も出てきませんでした。


そんな本が何十冊となりましたが、こんな本を読んでいることは親にも知られたくはありませんでした。
「普通の人」はこんなにも大量に自己啓発の本なんて読みません。
いくら表面的にごまかしていても、現実には「弱い自分」のままでした。
そのことは、自分が一番よく分かっており、その理想と現実のギャップが、ますます私の中で重荷となっていきました。
いっそのこと、周りに「弱い自分」をさらけ出してしまったら、楽に生きられるかもしれない、と考えたことは1度や2度ではありません。
しかしその度に「取り返しのつかないことになってしまう」という大きな恐怖感に襲われました。
なんで、自分だけ・・・こうなんだろう?
テレビにはニュースのインタビュー等で街の人達が出てきますが、「どうしてあんなに堂々と話すことが出来るのか?」と、うらやましく、そして不思議でした。
もし自分がインタビューを受けたら・・・と想像しただけで不安で恐ろしくなります。
テレビを見ても、そんなことを思う事が多く、いつしかテレビも見なくなりました。
娯楽で、面白いはずのテレビが、自分のコンプレックスを大きくするのです。
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